書評「どこでも誰とでも働ける/尾原和啓」

戸田の趣味である「乃木坂工事中」鑑賞(平気で同じのを7回くらい見ちゃう)中にAudibleでなんとなく聴き始めた本書。2018年刊行と、ちと古いけど面白かった。具体例が豊富で想像しやすいし、ナレーターの増元拓也さんの声も内容がスッと入ってくるのに一役ならぬ百役買っている。戸田はよく、好きなナレーターさんをリストにしておいて、ナレーター名から検索して面白そうな本を探す。そのリストに迷わず追加した。

何ができたら「プロ」?

端的に言えば、クライアントに自分の仕事のアカウンタビリティを果たせたらプロ、だそうだ。あかうんたびりてぃ…はにゃ?…和訳すると「説明責任」らしい。むかーし大学受験の英単語暗記修行のとき「Account」には口座とか会計だけじゃなくて、報告という意味もありまーす!と先生にチラッと言われたのを思い出した。確か、Accountの語源ってCount(数える)だから、預かったお金を数える、からの、それを報告するーという意味になったんだよね。あー、あのとき鉄壁(あらゆる英単語を語源とイメージから覚えさせる鈍器こと超有名英単語帳)を使いこなせる人間だったら今頃英語余裕だった気が…。脱線した。

自分は今このスキルを持っていて、相手に対してこのように役に立つことができます、ただしこれはできないので外注します、とか合理的に語ることができれば、「その道のプロ」達成てこと?うーん、戸田の苦手分野である。できないことばかり、語ってしまいがち。いわゆる自己肯定感低い系人間なのである。それを改善しようとして以前読んだのが、ラス・ハリス著「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」なんだけど、「現在の自分の行為を自覚しよう」とのこと。自己肯定も自己否定もする必要なくて、自己理解が大事なんよね。戸田の文字にしちゃうと、こんなの当たり前な気がしちゃうけど。

結局、問題は「受け入れるor改善する」しかなくて。現在の自分の行為を自覚すればするほど、目の前の問題が解決可能か否かを見分けるのがうまくなる。これってアドラー心理学で言えば「課題の分離」だね。…早速、この本「どこでも誰とでも働ける」から話をズラしてしまった。でもこれが読書の醍醐味だよね。今までの知識と新しい知識が繋がった時が、面白い。

空気を読ま(め)ない力こそストリートスマートか?

『「コスト、納期、質」の三つのバランスを考えて設計して』とメーカー勤務時代、大先輩に口すっぱく何度も言われた。本書では、ブックスマートとストリートスマートの違いを語っている。例えば「コスト100万円で、来月までにこれ仕上げて」と言われた時、ブックスマートは「100万円と来月」を制約として捉える。一方、ストリートスマートは制約を疑う。「その100万円はどうやって決まったんだ?なに、売上の20%?なら売上を上げれば、コストは高くしていいんだよね」という風に。

厳かな雰囲気で仕事の条件を聞くと、戸田はただそれを定数なんだと飲み込んで仕事を進めていた気がする。定数なのか、本当は変数じゃないのか、常に疑っていこう。幸いなことに戸田は空気を読めない。だから、「本当にこれは定数なのかな…?」と思うことはよくあった。足りないのは、つよメンタル。自分の意志で、空気の読めなさを貫ける戸田になりたい。本書を読んで大先輩のアドバイスを思い出せたし、より具体的に内面化できた

効率化は属人的仕事を省くこと

効率化とは、俗人的な仕事を省くことである。効率化できるのは、誰でもできる仕事だということだ。本書で挙げられてた例としては、ワイン商人の話。単にスペック比較して、その時点で最高スペックのワインを提供するのは、効率化できる、つまり誰でもできる、AIにできる仕事。そうではなくて、買い手にワインを選ぶ過程をエンタメとして楽しんでもらえるようにファシれたら、それはその人にしかできない仕事。

「はじめてのリハビリテーション医学/須田万豊先生著」で学んだことだが、戸田がリハ科に興味を持った理由の一つは、リハ科は「変数が死ぬほどあって、手段が発散していく」ところだ。普通、医療は収束していく。患者の所見から診断を絞り込んで、最適な治療を決める。ダメだったら変える。こういったガイドラインが決まっているおかげで、日本ではどこにいってもほぼ同じ高水準の医療が受けられる。一方、リハビリ科では、、、詳しくは「はじリハ」の書評感想で言うことにする。とにかく、患者ひとりひとりに合わせて、理想的には前向きに楽しんでもらえるようなリハ計画をたてて実行していけるような医者になりたいなと、戸田は本書を読んで改めて思ったのである。そうすれば、ついでに、戸田はAIに代替されない人材になれるはずである。

英語は市場で学べ

AI教師にできないのはファシること

カーンアカデミーの創業者の話が出てきた。カーンアカデミーとは、なーんでも無料で学べる動画サイトである。戸田のイメージとしては、Udemyの無料&学生版って感じ。戸田は医学部編入受験勉強にこれを使っていた。高校生物をKALS(医学部編入受験予備校)で学んだ後に復習として、カーンアカデミーで英語授業を流し見していた。字幕を日本語・英語両方出して、生物と英語を一挙両得だぜ!とやっていた。

そのカーンアカデミーの創業者曰く「各々が動画で勉強してきてから教室に来れば、みんなでしかできない会議に時間が使える」とのこと。これは戸田もかねてより思っていたことだった。戸田は、大学受験時は東進衛星予備校の動画を見ていて、自分にものすごく合っていた。自分のやる気のある時に、一人で進められるというADHD的特徴から見て自分に合っていたというだけじゃない。単純に、東進は他の予備校から集めたトップ講師を使っているから、当然わかりやすかったからだ。学校の先生ってほんと、業務広すぎる。いずれきっと、予備校講師なり、Youtuberなりの最高の授業動画を厚労省がある程度の数確保しておいて、学校の先生が「この性格の子にはこの動画を見させよう」みたいな取捨選択をするのかな。

あと戸田が今の医学部ですぐに使えると思ったのは、「会議は5人まで」原則。思い当たる節、たくさんある。6人を超えると、自分が議題の中心メンバーでない場合は一気に自分ごとでない気がして戸田は空想の旅に出てしまうし、自分が中心メンバーの場合は話していないメンバーがどう思っているのかとか何か内職してないかとかを気に病んでしまって集中できないもん。例えば会議が25人の場合は、まず5人ずつに分けてグループごとの意見を決めてもらう。その後、全員新しいメンバーになるように5人グループを作り直して、最初に一人ずつ前のグループでの結論を話してから、改善案を考える。こうすれば全員が議題を自分ごとに捉えられる。この、5人ずつに分けるみたいなやつ、戸田も就活のとき何回もやった。けど、新しい5人にして二回目をやるっていうのは未経験だな。自分がファシる(必要がある)ときはこれやってみよう。

コミュ障は食べたラーメンでいいからTwitterに上げろ

尾原さんは常に赤いマフラーを巻いているらしい。今、Amazonで著者画像を見たら本当に付けていた。「〇〇さんと言えば□□!」みたいな認識を周囲の人に持ってもらえると、コミュニケーションの敷居が下がる。戸田も納得した。例えば大学の研究室の先輩の大石さん。大石さんは190cm近い超長身で、細身なのに肩幅だけやたらガッチリしていて、目がつり目だ。つまりほぼハンターハンターのヒソカなので、一見怖い。だがLINEのアイコンでもインスタの投稿でもカメラ関係だし常にカメラを持っているので、「大石さんと言えばカメラ」なのだ。そのおかげで、このメーカーの新しいカメラの記事読んだんですけどこれの何がすごいんですか〜の様な適当な話題を振ることができた。ヒソカなのに、すぐ怖くなくなった。

言うまでもなく、戸田はコミュ障である。コミュ障にインスタは辛い。というか、「わしのようなもんが…こちらに写真を置いてもよいのじゃろうか…?」と思ってしまって、インスタは無理である。なので、Twitterか、と思って見出しのような気持ちになった。尾原さん曰く、食べたラーメンでも、散歩中の犬、でもなんでもいいらしい。こいつ、ラーメン好きなんだな、と思ってもらえればOK。SNS苦手なんだけどなあ、戸田もTwitter、始めるかぁ。

ライスとライフの割合を柔軟に

自分の有限な時間を、どれほどライスワークとライフワークに切り分けるか。身近で二人、キリッと切り分けている人がいる。一人は、数ヶ月だけ戸田がバイトとしてお世話になったIT系ベンチャー企業の社長。その人は、自分の会社員時代の経験を使ったコンサル業務で稼ぎながら、自分の作ったアプリの運営をしている。もう一人は、戸田の愛する配偶者であるホカちゃん(仮名)。ホカちゃんも、企業からの業務委託をしつつ、自分の名前で個人事業主として働いている。二人とも、戸田の憧れである。

ライスとライフを切り分けるにはまず自分のライフワークとしたい事柄が必要だ。自分の好き、やりたいことが明確になっていないといけない。とりあえず、で、このブログでは「10年後にリハ専門医になる!」と目標宣言している。つまり戸田のライフワークはリハ医にとなる予定だ。が、本当にそれでいいのか?他の診療科、あるいは臨床医以外に興味がうつるかも?リハ医だとしても、心臓、呼吸器、運動器、がん、とか細分化されているがどの分野に重きを置くべきか?はたまた在宅医になって、なんでも幅広くみられる人を目指すか?などなど、考えることは山積みである。

ゆくゆくは本書にある通り、ライフワークに充てる時間を100%とできるように頑張りたいね。それに、今決めているリハ医という目標を叶えた後、別の分野にチャレンジしたくなった場合にリハ医をライスワークとして使える様に、医学部でも研修でも課外活動でもしっかり知識と経験を積まないとな。

尾原さんは絵本「やっぱりおおかみ」に救われた

本書のあとがきで語られていることだが、著者の尾原和啓さんは幼い頃からどこに行っても「よそ者感」を持っていたそうだ。Audibleの音声があとがきに入って、「あー終わったー面白かっ…」と思って気を抜いたところにこの話が続いてきたので、思わず身を正した。まさに戸田もそうだったからだ。マッキンゼーとかグーグルとか、すんごいところですんごい実績を打ち立ててきた凄い人である尾原さんなんて、「どうせ小さい頃からコミュ強なんでしょ」とどこか引いた感覚を持っていたのに、最後の最後でもう一度引き込まれてしまった。

幼い尾原さんは「やっぱりおおかみ」という絵本に救われたそうだ。おおかみのグループでは除け者にされたオオカミが、一歩外に出て、違う動物グループに行ってみたらオオカミだというだけで重宝がられた。つまり「違う」ことが価値になった、という話なのかな?今度TSUTAYAで探してみよっと。

戸田は「感じのいいADHD」を目指そう

ADHD戸田のこの本の感想としては、ざっくり言えば、今後生き残って成功していけるのは、「感じのいいADHD」じゃない?ということ。ADHDって軽々しく言ってしまったけど、要するに自分の好きを突き詰めて、自分の意志で空気を読まないと言うこと。戸田の得意分野である。ただ、戸田に足りないのは「感じの良さ」と「つよメンタル」だ。本書にある通り、感じの良さは、ギブギブギブ&ギブ精神やハイパー性善説を、つよメンタルは、人生ゲーム感覚を持てば行ける気がしてきた。この本のおかげで、戸田は最高のリハ医へ一歩近づいた。はず。

また聴きます

戸田は、秋が大好きで、イエベ秋で、なにより飽きっぽい。そんな戸田が2日に一冊くらい教養本を苦なく楽しめるようになった方法がAudibleである。なんとなく自分のことを視覚優位、つまり字を読み取る能力が高い的なことを思って(笑)、聴き読書を数年間食わず嫌いしたことをかなり後悔した。大学受験でも、医学部再受験の勉強でも思ったことだが、わからないことはさっさと飛ばしたほうがいい。後から勝手に脳が「アハ!!!あれはああ言うことだったのか!」と気づいてくれることが多いからだ。でも本なり電子書籍を手に持って、自分で字を追っているとどうしても返り読みを繰り返してしまう。その時間を物理的に阻止してくれるのが聴き読書、Audibleだ。しかもメモもこんな感じで残せる。めちゃめちゃおすすめである。

挫折しがちな戸田が唯一成功したのが医学部編入受験。この機会にちゃんとしよう。ということで、2023年から5年で医学部卒業、2年で初期研修、3年で後期研修だとして、10年後にリハビリテーション科の専門医を取るぞ。

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